禅に精通する人たちは、大抵がミニマリスト志向だ。今は亡きアップルの創業者(スティーブ・ジョブス氏)も禅の世界を知り、シンプルなデザインで世界中の人たちを魅了した。もちろん、技術力あってのデザインではあるが、どの製品を見ても禅の思想が漂っているように感じ取れる。

そして、禅といえば足を組む座禅がすぐさま浮かぶがリラックスした状態での瞑想法が米国では流行っているようだ。豪華な禅室を擁するホテル、そして禅インストラクターなる職業まで存在している。

日本人の感覚からすれば「?」かもしれないが日本の禅文化は形やスタイルを変え全米に広がっている。

なぜ、広まったのか?

仏教学者の鈴木大拙氏のご活躍があったのは言うまでもないが、「禅に学んだ人たちのセンスが素晴らしかったから」ではないだろうか。

つまり、元々ミニマリスト志向なのだ。

真の挑戦者は皆、一度は挫折し復活する。復活の際、要らぬものをすべて捨て去りシンプルなものに美を感じるようになる。美的センスとは、そういった人生経験によって磨かれていくものだ。少なくとも教えてもらって得られるものではない。

「生あるものは必ず滅び、形あるものは必ず壊れる」

それを身をもって知る人の視点や価値観は、魅力的な製品やサービスを創造するセンスを備えていると言えるだろう。また、それ程にシンプルにすることは簡単ではないということだ。


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